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寒暖の差、という言葉が頭をちらつく時期になったなと、薫は上着に腕を通しながら思った。

インナーは来ていたし、長袖のシャツも着ていたが日が暮れるとそれでも肌寒さを感じる。

ボタンを止めようか迷っていると、左腕にひっそりと他人の体温がまとわりついてきた。

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「朔間さん、まだ校内。っていうか歩きにくいよ。離れて。」

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頭を薫の肩にすり寄せてくる零を口では注意するものの、薫の手は零の冷えた手を包んで温めだしていた。

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「うわ、冷えちゃったね。」

「もう残っている生徒も少なかろう。見られたところで困るわけでもなし…」

「困るでしょ。軽いスキャンダルだよ。」

「それならさっき部室でしてたことの方が、」

「あーあーきこえないなー」

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まったく、と少し熱を持った頬のまま薫は悪態を付くが、ぴったりと寄り添ってくる零の体温は心地よかった。

肌寒いからだろうか。

人肌が恋しいのは。

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「もうすぐ正門じゃな。近頃は随分この時間が名残惜しく感じるのは何故じゃろうな。」

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我輩としたことが、少し寂しいようじゃ。

薫の気持ちを代弁したかのような言葉に、あやうく俺もだよと云いかけて呑み込む。

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「それは……………お腹が空いてるからじゃない？それか、寒いか。」

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思わぬ言葉に足を止めた零に、薫は少し思案してから、ねぇ朔間さんと声をかけた。

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「オレ、ゴルゴンゾーラのピザが食べたいんだけど。」

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揃って正門を抜けるまであと少し。

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もしかして：秋

（お腹が満たされても、まだ寂しかったら、しょうがないから一緒にいようよ。）

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お題：もしかして秋 必須要素：ゴルゴンゾーラ 制限時間：15分

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