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今日は天気が悪い。

奏汰は気にしないのだが、日課の『ぷかぷか』をしにいこうとしたら颯馬と薫に全力で引き止められたため、仕方なく部室に留まる。

椅子を手頃な水槽の前に引きずってくると水槽の蓋をずらし、水の中に手を浸した。

ゆるい水流が肌を撫でて、心地よい。

貯めてある水と手の体温が同じくらいになった頃、中で飼育されている小柄な熱帯魚がするりと奏汰の指先をくぐった。

そっと指を曲げて器を作ると、明るい色をした生き物は奏汰の手の中に収まった。

つんつんと指の腹を突かれるのがくすぐったい。

 

しばらくその戯れを楽しんでいると、ガラリと部室の扉が開いた。

 

「あ、奏汰くんちゃんといるね。よかった~。」

「当たり前だ。部長は貴様と違って約束を守られるお方だからな。」

「はいはーい。」

「そうま、かおる…」

 

奏汰は水から手を引き抜くとひょこひょこと二人に駆け寄り、まだ言い合いをしている部員の頬を摘んだ。

 

「うひゃあ!冷たい!濡れてる!」

「あのー…なんでしょうか部長…」

「ふふふ…」

 

奏汰は二人の頬を突いたり摘んだりしながらにこにこと機嫌よく笑った。

 

「ふたりも、おさかなといっしょ…ぷにぷにですね…」

「えっ…なにそれ」

 

わけわかんないんだけど、と一人だけ片頬を濡らされた薫が半泣きでつぶやいた。





 

揃うと嬉しいんです…♪

お題:僕のぷにぷに 制限時間:15分

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