​黒猫が眺める日々

 

「ねぇ兄さん。」
「んー」
「お前が俺を抱きたいんならそれでいいんだなんて良く云えたね？」
「（正確には全部云ったわけじゃないが…）あぁ…まぁ、な？」
「どこまでも受け身だよねぇ。」
「そりゃそうだろ。」
「じゃあ僕が"抱いて"っていったら抱くの？」
「抱くぞ？」
「何その当たり前だろなカオ」
「だって当たり前だろ…？」
「え…怖…ちょ、本気？」
「ばぁか。お前が云えばって云っただろうが。
　お前とどうこうなりてぇってのはあったけど、無理矢理は良くないだろ。
　っつーか…俺はあの時は、まだキスしたいなーっつう位しか考えてなかったぞ…」
「はぁ…じゃあなんで"抱かせて"って云わなかったの？」
「あのなぁ…お前が先に云ったんだろうが！俺を抱きたいって！」
「そうだけどさ。交渉とか、」
「お前の気持ちわかんなかったしよ…それに、抱かせてくれって云われるよりも抱いてくれって云われる方が怖くないだろ？」
「…ちょっと、」
「うん。悪い。」
「僕の気持ち、」
「無視してるよな。だからわかんなかった時はそう思ってたんだって。」
「…今は？」
「だから、お前がいい方でいい。」
「受け身だなぁ。」
「エンドレスじゃねぇかこの会話。」

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