鋼錬、あんスタ、ぬら孫のBL二次創作サイトです
ばちっと眼を覚ますと、アルと眼が合って固まった。
「おはよう。」
言葉を返せずにいると、アルは少し困ったように眉を下げた。
「…後悔した?」
かろうじてそれにはかぶりを振った。
振って大後悔した。
「う、ぁだ…いだだだだっ」
「あぁっ、大丈夫、兄さん?」
「だ、大丈夫じゃ、ない…」
日常生活をする上で絶対に使わない筋肉を使った代償は大きかった。
っていうかもうこれ怪我じゃないのかというくらい痛い。
自分で確認できない場所なだけに余計に怖い。
顔をしかめてるとアルが心配そうな顔で俺の背中をさすった。
「どこが痛いの?」
「え…あー…腰、が」
どことは云えなくて言葉を濁すと、アルは慌てて飛び起きた。
「ごめん!気をつけたつもりだけど…僕途中から夢中になっちゃって、
切れてない?確認しようか?」
「い!いい!いいから!確認しなくていいから!」
朝陽がさんさんと降り注いでる部屋でなんでそんなとこ晒さなきゃなんねーんだよ!!
アルフォンスはまだ心配そうにしていたけど、俺は断固拒否で通した。
…まぁ、そのうち治まるだろ。
「ごめん、ね…」
「謝んな。俺がいいつったんだ。」
「だからって愛する人の身体傷つけたらだめでしょ。」
「ぶっ…!」
"愛する"と聞いて俺は思わずむせた。
何も飲んでないのにむせた。
「な、なんで笑うんだよ!」
「げほげほっ、いや、これ笑うと違…ごほごほっ!」
「だって笑ってるよ顔が!」
「だってお前…!」
あまりにも俺たちに似合わない言葉で、腹を抱えているとアルはむっとした顔をした後、
いきなり俺の頭の横に両手をつくと、俺に覆いかぶさった。
「!」
急な接近に懲りない心臓がばくんっと跳ねる。
「兄さんは、違うの?」
「な、にが…」
「そういえば僕結局聞けてないよ、兄さんの気持ち。」
「い、云っただろうが!」
「ちゃんとは聞いてないよ。今云って?
アルが、好きだって。」
一言一言区切るように発音されて、俺は顔が熱くなった。
こんな状況でそんなこと云えるか!!
「む、り!」
ぐいっとアルを押しのけて起き上ると、アルは不満の声をもらした。
「えー。ずるいよー。」
「ずるいのはどっちだっ。」
「そんなの、逃げようとした兄さんだろ?」
もう一度、今度は後ろから抱き締められて俺は身動きが取れなくなる。
「駄目だよ…僕から離れるなんて。許さないよ。」
「…ッなに、云ってやがる!」
「あはは、念押ししとこうかと思って。
一夜限りの思い出ーとかにされるの嫌じゃない。」
あっけらかんと笑う弟は、また俺の知らない顔をしてる。
俺は呆れて溜息をつくとアルの胸に背中を預けた。
「ばかやろう。そんな器用なことできるかよ。」
「本当?」
「嬉しそうにしやがる…」
「嬉しいよ。嬉しい。」
ぎゅっとアルの腕が俺を締め付ける。
離れるなと身体で表現するみたいに。
「兄さんは嬉しくないの?」
云えるかボケ。
答える代りに、俺は身体を反転させてアルの驚いた顔にキスをした。
離れないから、お前も離れるなよ?
そんでもって、もっと色んな、俺の知らない顔を見せろ。
「いいな?アルフォンス。」
「…はい。」
頷くアルフォンスは、昔よく見た、子供の頃の笑顔そっくりの顔をしていた。
告白カウントダウン