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  • 執筆者の写真しろ

耳が聞こえない兄さん(絵と小話)


爆発テロに巻き込まれて、一時的に耳が聞こえなくなった兄さんとパニックのあまりジェスチャーで乗り切ろうとするアルが見たい。 どっちもすっごく不安だけど、鎧と豆兄さんなので兄さんは強がって全然違う回答とかしてほしい。

で、実際に書き出すならどうなるかなと書いてみたら、エド視点でかいちゃったのでめっちゃ沈みがちに…。 まだふざけるところにいってないからかな…





 

犯罪者が近くで逃走中という知らせを受けたのは前日のことだった。

「怪我はどれも心配ないですよ。問題は耳ですね…」

医者は、「音響外傷」と病名をつけた。 人が処理できる音量には限界があるらしい。間近で爆発に巻き込まれた俺は、手足だけでなく内耳にまでダメージを受けてしまったらしい。 耳が詰まっているような感覚と、耳鳴りが止まない。 しばらくの間、俺の聴覚は低下したままらしい。 「大事をとって入院されますか?」という医者の唇を読みながら、首を横に振った。

「それでは2日後にもう一度いらしてください。」

看護師が外で待っていたアルフォンスを呼びにいき、戻ってくる。 アルは大きな体を医者に向けて曲げると、腕を俺に差し出した。 立ち上がると、ぐるん、と世界が足の下で回るような気がした。

「———ので、気を付けてあげてください。心配があれば、いつでもご連絡下さい。」

何を気を付けるべきか読み逃したみたいだが、眩暈のせいで一刻も早く休みたかった。 あとでアルに聞けばいいやと考えて、ひょこひょことアルの腕につかまりながら診察室をでた。 歩けなくはなかったが、処置してもらった足が痛んで、部屋をでたところでいったんベンチに座る。 見かねたアルは、とんとん、と俺の膝を叩くと受付を指した。

「清算、頼めるか?薬もでてるらしい。」

鈍い色の頭が一度頷く。アルは立ち上がると受付にいた看護師に体を向ける。 看護師が反応して、紙を見せながら説明を始めたのを見て、俺は安堵した。 思わず、細く息が漏れる。

今の俺には、アルの声が聞こえない。

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